1年後の私
新しく行っているマンガ絵&ストーリーの教室で、初の課題が出たので書いてみた。
「一年後の私」をテーマに小説を書き、連作として三・五・十年後と話をつなげて、ひとつの長編(300枚くらい)に仕上げる、というもの。
ふーむ、課題としてよく考えられている。
テーマひとつにつき、50枚くらいなんだって。でも、こんなかんじで書いてみた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
名もなき記憶 ~プロローグ
私……は、何……?
万物は私であり、私は全てである。
気づいたとき、私はそうであった。
私とは何であったか。人であったか。国であったか。そもそも私とは存在なのだろうか。何も定かではない。
暗闇に、小さな光が無数に瞬いては消えていく空間の中で、私は透明な意識としてたゆたっている。
ただ一つだけ、わかっていることがある。音も湿度も、ぬくもりも、恐怖もない中で、実感として強く信じられることだ。私の声が、世界中を震わせ、響いてくる。
――私はさらに広くなる。私はさらに高くなる。私はさらに、清くなっていく。そうして――
その先に何があるか、私は知らない。
*
その一年後、私には体ができた。
私はかつて、一つだった。
一人ぼっちでとても寂しかったので、体をたくさんに分けて、子供を作った。みんな私と同じ体をもつ者だった。
豊かな水の中、私たちは波にゆられながら、穏やかに行きわたるようにその姿を増やし、地球の養分を吸収していた。
そんなある日、私と違う者に出会った。
その者は私より大きく、強く、雄々しかった。私とは別の存在――これを彼と呼ぼう。
明らかに異質だったけれど、私は彼が、かつて分かれた自分自身であると気づいた。
私は彼と再び一つになりたいと願った。彼も私に体を重ねようとした。
でも駄目だった。
私と彼はもはや別個の存在であり、決して同じ物体として溶けあうことはできなかった。けれど私たちの中にある何かは、その瞬間、一つにつながり、新しい存在を生み落としたのだ。
その時突如、不思議な感覚に襲われた。なぜ私は「人」という呼び方を知っているのだろう。「年」という感覚は何なのか? 「波」とは、「地球」とは、何を指すのか。私の、名前は――?
そうして私はこと切れた。
それから三年くらい後だったか。私は竜になっていた。
~「三年後の私」へつづく (四〇〇字詰め原稿用紙 三枚)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
この課題を考えるにあたって、
「一年」って何やねん? 「私」って何やねん? 三枚やったらあかんの?
という、あまのじゃく精神丸出しでやってみた。
そしたら、案の定、
「ちゃんと人間が主人公の話にしてね」
とゆわれた。
え~。
そんな~、これから、恐竜とか、カマキリとか、古代人とか、イマドキ女子高生に転生して、「彼」と何回も出会って、魂の成長や、生命の進化と神秘、輪廻転生、色即是空を表す話を、恋愛ラノベ小説でやろうと思ってたのに! ぶーぶー。![]()
まあ、しゃあない。ちょっとブッ飛ばしすぎたか…。
いくとこまで行って、あかんライン――も見えたことやし。
次はもちょっと「普通寄せ」に、人間の話書いてみるか。
ところでこの作品、
「H.G.ウェルズが昔に同じテーマで書いてるよ」
って先生に言われたんだけど……
H.G.ウェルズって、宇宙戦争とか書いてる人らしいんだけど、どの作品のことかわからんヽ(`Д´)ノヨミタイヨウ!
ちなみに、またNEW塾のブログに、インタビューされて載りました。
http://ameblo.jp/nejisiki27/entry-10269619182.html
さいきん、よく被写体として撮られるかも。ふだん自分が、人の情報で書いたり、撮ったりインタビューする立場だから、こういう時は協力したい!
| 固定リンク
「小説」カテゴリの記事
- 河童の王子様(2009.11.16)
- 実は初投稿 ~短編小説新人賞(2009.07.18)
- 1年後の私(2009.05.30)
- 写文と真似文(2009.03.07)
- エチュードの修行、はじめます(2009.02.12)


コメント