お坊さまのお告げ ~ I must go KYOTO
~これは心弱い新入職員が、天下の大先生にお会いする、奇跡の記録である~
神職かつお坊さまの先生に、こさっぺは観てもらった。
今度会社のカウンセラーとして招かれた、ご高名な先生である。
こさっぺは最近元気がなかったのである。
体力がもたず体調崩れたままで、行きたかった行事にはことごとく行けず、風邪などもひきまくりで、元がネガなため精神もまいってくるし、もうだめぽ。。(:▽;) となっていた。
そんな矢先に、救世主は現われたのである。
カウンセラーのササヤ先生。
彼は会社の運動会で、相談係のトップとして、開会式にみんなの前で紹介されていた。
風邪をおして出場していた私は、リレー出場の列に並んで座りながら、「これだ」と思った。
出会った瞬間こう思った人というのは、ハズれなくご縁があるのだ。
こさっぺはさっそく次の日、oh人事にTELして、「病んでるんですけどどうしたら観てもらえますか」と調べてもらった。
すると、今度正式に会社にお迎えする際に、挨拶の席で人事のT理事からお願いしてもらえることになった。
ホッとして仕事をしていると、再び人事の指導役さんから電話が。
「料金あるんだけど知ってる?」
「いえ」
「1時間1万円なんよ」
「1時間1万円!?」
なんと、相談事というのは慈善事業ではないのか。世の中そこまでせちがらくなっていたのかあぁぁ……。
あまりのことに、電話口に大声で聞き返してしまって、近くにいた上司のアニキ主任やOかちょも、どうしたん、と振り返った。
いやしかし、1か月1万円生活に挑戦する人もいるというのに、これは高い、高すぎるぞ。
こさっぺは縮こまるようにお断りして、静かに受話器を置いた。
そして仕事の日常に戻った。
が。
ここで引き返してしまっていいものだろうか。あの時の直観は何だったのだ。これはするべきして起こっていることではないのか!?
こさっぺはもう一度受話器を取った。
「あの~。30分で、半額の5000円でいけませんか?」
そういうことになった。
数日して、また人事の指導役さんから電話があった。
理事から先生にお頼みする際に、どんな事柄で相談するのが、大まかな内容を教えておいて欲しいというのだ。こさっぺは電話をもらってすぐ、すぐ上の7階の、人事部のフロアに行った。
指導役さんは、先生に伝えるだけの、どんな方向性の話なのかだけ教えてほしいと言ったけど、自身でも話を聞いてくれるつもりだったのだろう。フロアの隅っこにある、小さな応接室に通された。
話しているうちにガン泣きして(←ヤバい)心情を訴えたあと、優しい指導役さんのお陰で、そういうことで理事からハンガク(5000円)のお願いをしてもらえることになった。
さらに数日後、何だか私も理事と一緒に行くことになった。
場所はおなじみT国ホテル。
「明日の3時、理事と一緒に出発だから」
と言われ、ハイッ! と姿勢を正した。すると、
「で、お金なんだけどね。理事長さんが、会社から出してくれるって」
「え」
タダ……。
何と、1万円の出費も身を切る思いで覚悟していたのが、まさかのフリーパス!
しかも 理 事 長 さんのおはからいで!!
理事長とは、企業のトップで、誰からも恐れ敬われる、皇帝のようにエラい御方なのである!!
エライことになってきたぁぁ! と言いつつも心は有頂天。
上司から所属長、Gム部の理事までお伺いをたてて、
「明日新しいカウンセラーの先生に(タダで)観てもらうため、T国ホテルに行ってきます」
ということになった。
当日、理事と一緒に車で行くハズが、急遽こちらは後から行くことになった。こさっぺはお金がないので(タクシーなど乗らず)、駅からてくてく歩いてT国ホテルに向かっていた。
時間前には余裕を持って着いて、約束通り理事のケータイに電話し、中央のロビーから、12階のホテルの部屋に上がろうとすると……
受付の前に、ハタ、と。
椅子に深々と腰かけた、理事長さんがいるではないか!!
天上の世界の御方が、こんなとこに!
こさっぺは急いで近づき、何度もお礼をして、感謝の言葉を延べまくった。
両脇を知人らしい奥方や娘さんに囲まれていた理事長は、ああ、あんたか、と今回の相談者の正体がわかったらしく、こいこいと手招きをした。
奥様っぽいマダームも、歓迎の声を上げて私を呼んだ。
こさっぺは、どどどうしようと戸惑いながらも、「座りいや」という理事長の言葉に、奥方が理事長側のイスに座ってさあさあと進めるので、ここは飛び込まねばと、恐れ多くも奥方の譲ってくれたイスに座った。
理事がケータイで「5分後に部屋まで上がってきて」と言った時間まで、あと少しある。こさっぺは理事長とマダームな奥方と、身の上話などを始めた。
やれ兄弟はいるのかとか、出身高校はどこだとか、所属はどこだとか何の仕事をしてるんだとか。
行事でナレーションやチアもやっているだろうと言われて、はいと言うと、「そんな快活やのに何で悩むんや、男か」と笑う理事長。
いやー、明るく見られるんですけどそのウラではネクラで。。と言うと奥方が、「わかる、無理して明るく見せてしまうことってあるわよねぇ~」と非常に共感した相槌を打ってくれる。
最後、実はその部屋は16階だと訂正までしてくれて、奥方などは上に行くエレベーターまで案内してくれた。
みんなが恐れて陰で恐怖像のように言う理事長とその奥さんも、気のいい大阪のおっちゃんと、あったかいおばちゃんといった感じだった。
そして理事とカウンセラーの先生がいる部屋へ向かう。
ピンポーン♪ とふつうの音が鳴るインターホンを押すと、理事とササヤ先生が、一緒になって出てきた。とりあえず部屋の中に入れてもらって挨拶したものの、理事はまだ話し足りないようで、ちょっと話してから紹介され、あとは2人残されて、理事は会社に帰って行った。
さて。カウンセリングは始まった。
まず名前や生年月日を書き出して、出身地や家族構成などを聞かれるところから始まった。先生はさすが、慣れていらっしゃる感じで、よどみなく話し進められていく。
するりと、こさっぺが朝体が重く、なかなか起きづらいこと、低血圧なことを当てられた。
こさっぺが芸術系の大学に行き、今の仕事でも志していることを言うと、「それはあなたにとってとても大事なことですね」と、確信をもって言われた。
その通りである。こさっぺはその業と仕事の業、プライベートな業との折り合いに悩んでいたのだ。
でも、どれを取ってどれを捨てるとかじゃなく、こさっぺには「全部必要」らしい。
が、それには元気が足りないみたい。この心身共に病みがちなのも、重要な問題なのだ。
こさっぺは大きなもの(?)を持っているから、人より社会で生きにくく、疲れやすいのだと言う。
で、その元気を得るには、お寺や神社に行くといいらしい。確かに寺社仏閣は好きだけども、こさっぺの場合、自分のご縁に繋がる神様は、京都の東寺と、伏見稲荷がいいらしい。そういう、霊験のある神様の元に行くのが、元気の源だと言うのだ。
だまされたつもりで行ってごらん、と言うので、行ってみることにする。
京都はこないだ行けなかったところで、何を隠そう、ちょうどガイドブックも買ってあるのだ。
先生はジャンジャンと数珠を鳴らし、お経までよんでくれた。
そしてこさっぺは最後に、思い切って「私作家になりたいんですけど」と言ってみた。
会社の職員なのにそんなことを、と怒られるかと思ったら、それは、「しなきゃいけないこと」らしい。元気さえあれば仕事も、芸術活動も、個人としての生活もがんばれるよ、と。
その前にまず自分を確立しなきゃならん。そうしたら自然にすべてができてくるらしい。
その自分さがしが難しいんだけどなぁ。まあ、自分を大切にしようってことだな。
ササヤ先生は最後に手作りのお守りを送ったげるよと約束して、部屋からこさっぺを見送ってくれた。30分とちょっとの、対談だった。
次の日、こさっぺは会社の風習にならって、3階の理事長室の前に並んだ。
理事長に何かほどこしを頂いたあとは、こうやって部屋の前に立って待ち(まあ出待ちってやつだ)、理事長が来たと同時にすさまじい勢いで挨拶し、お礼の言葉を申し出なければならない。なぜなら理事長は歩くのがめちゃくちゃ速く、大声でまくしたてるように挨拶しないと全部言いきれないのだ。
30分ほど待って、昨日お世話になった人事のT理事や、秘書課のおじさまT室長、他各所属の理事や長たちが、階段からぞろぞろとやって来て、理事長を待ち構えた。
そして、階段をのぼって理事長が登場。
みんなが一斉に深々とお辞儀し挨拶を延べる中、こさっぺは1歩進み出た。
「おはようございますっ。さくじつはありがとうございました」
理事長は目をとめ、じっと見つめてから、
「ああ、(今までキミの存在を)知らんかったわ」
すたすたと歩いて行く。お偉方たちも一斉に動く。こさっぺはおコトバを頂戴した上(普通はただ目もくれず早足で通り過ぎて行くのだ)、追いかけるのに必死になって、言うべき言葉がうまく出てこない。
「あの……おかげさまで、元気をいただけました。ありがとうございました」
すると理事長は何か言いたげに、扉の前で足をとめて振り返った。
「あの~、昨日、あのあと先生と食事してな、『あの子、エエ子やし、大丈夫そうや』て言うとったわ」
エエッ!
ササヤ先生は理事長に~、何て印象のいいことを言ってくれたんだぁ~![]()
そうそう、こさっぺは善良な小市民なのだ。そうか、大丈夫なのか。
「あぁ、ホンマですか、ありがとうございますっ、頑張ります!」
深々とお礼をする。理事長は納得したようで、何か(よう聞こえんかった)言い置いて理事長室に入って行った。
人事のT理事も通り際にオッケ! サインを出して、こさっぺはめでたく、Gム部のフロアに戻って行った。
まことにありがたい出来事であった。
何だか、色んな人の優しさが身にしみた。
カウンセラーとして話を聞いて、元気になるアドバイスをくれたササヤ先生も、
それに引き合わせてくれた、人事の理事や、事前に事情を聞いてくれた相談役さんも、
かかりつけの病院で、開業医のやさしい先生が、点滴で元気づけてくれたのも、
旅行に行くはずだった仲間で、企画者の子が、心配して気遣ったメールをくれたのも、
心配してお昼に一緒に誘ってくれた、別フロアの電話交換士さんと元秘書のお姉さんも、激弱なこさっぺに本当にやさしくしてくれたし、
理事長一家も(あとであれはファミリーであったと知った)すごくなごやかに助けてくれたし、
同フロアの上司たちも心配してくれた。
何だか、病んでいると、いろんな人が心配もしてくれて、みんな本当に優しくて、ここまでしてくれることがうれしくて、癒された気がする。
みんなヤサ(T-T)シイ。人のおかげで生かされてるんだなぁ。
何てみんなやさしくて、いい人なんだろう。ありがとう、みんな大好きよ![]()
とまあ、「自分のことを小説風に書いてみなさい」とササヤ先生が言ったので、さっそくここで実践してみたんだけどね。
やっぱり、こさっぺは前から『企業の相談役のカウンセラー』というものに非常に興味があった。自分も職業としてちょっとなりたいと思っていたし、できるものなら、お会いしてみたいと思っていたのだ。
これも何かのご縁。人は縁の中で、育まれて生きているのだ。有り難き、感謝すべきこと。
というわけで、京都、行きます。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)


最近のコメント